春
昨日は午後に起きて、機嫌の悪いダンナの相手はせず、結局ダンナがやるって云っていた庭の草むしりを一人で延々とすることにした。
一時期コロをベランダに出していたので、ダンナが近づくと唸って煩かったため、その間ずっとダンナは庭に出ることもなかった。元々、庭付きの1階を求めたのはダンナで、彼が庭の手入れは自分でする、と云っていたので、まぁ無理だろうなぁ…と思いながらも案の定、今日を迎えたと云うわけだ(爆)
庭の植え込み部分に山茶花と躑躅がデフォルトで植え込まれていて、そこにどんどん雑草が生えてくるんだよね。当然だけど。
まぁマメに雑草も取っていれば、こんなに大変ではなかったんだろうけど、結局、冬の間は寒くて長時間出ていたくないし、今の時期は花粉症でヒドイ状態なので、結局今まで無放置状態だったんだけど、いい加減春になってそろそろガーデニングのシーズン到来ってことで重い腰を上げて、夕方黙々と強風の中、一人で雑草と戦っていたと云う訳だ。
この家に引っ越してきて、一番最初に草むしりをしてくれたのは私の母だった。
10月と云うのに、まだまだ暑い盛りで、その当時妊婦だった私にかがんで草むしりの作業はかなり苦痛だったのと、元々ちょっと潔癖の気がある母にとって、うちの庭の雑草は耐えられないらしかった。さっさと作業を始め、汗だくになりながらゴミ袋いっぱいに雑草を駆除したものだ。
それから数ヶ月経ち、今日を迎えた。
一人、強風の中で色々なことを思いながら雑草を引っこ抜いていた。
私の父は、現在ある病でずっと入院しているが、今年の5月で仕事を引退する予定だった。
もう定年は迎えたのだが、その後も1年だかの契約でずっと仕事を続けていたのだ。
でも、2年前に母とハワイに行った時、ダイヤモンドヘッドで転けて、腿に深い傷を追ってその傷も痛むし仕事も結構きつくなってきたから今度は更新せずに引退する、と云っていたのだ。
父は、ある意味無趣味で、仕事が休みの時は、昼間お酒を飲んで昼寝してTVを観て、一日パジャマ族、というのが日課だった。
その状態で仕事を辞めて、毎日日曜のような生活をすると、きっと早くに老け込むし呆けるから(爆)
って母は、当時、未だ死産していなかったので、『双子が生まれたら専用の自転車を買ってあげるから、それで毎日82の家に通って孫の子守と庭の草むしりはお父さんの仕事だからね』と口癖のように父に云っていた。
そういうこともあったから「草むしりは父の仕事だし?」なんて思っていたりもしていたので今の今まで放置していた、と云うこともあった。
植え込みの一部にガーデニングで使おうとしていた土を、結局は合わないことでそこにふりまいていたら、その部分に生えていた蒲公英が凄いことになっていた。
1mぐらいの背丈に何と幹が4センチぐらいだよ。スゲーって思いながらも、またそれが強靱で根っこから引き抜けなかったので根本から茎を切って終えてしまった。
結局、今回もポリ袋いっぱいの雑草を駆除した。
凄い重みだった。本当ならまた父が家に来て、庭に出ながら美味しそうにたタバコを吸ったりするんだろうなぁ…って思うと、とっても胸が重くなって何だか一人で強風の中草むしりをしているのが凄く虚しくなってきた。
かなりの体力を消耗して(爆)家の庭はとても綺麗になった。
沈丁花の香りが風に乗って、雪柳がそよそよと揺れて、桜が咲き始め、いよいよ春到来だ。
そんな中、闘病生活をしている父が何だかとても可哀想で、いたたまれない。
病室に春は届いているのだろうか。